1. エステティックグランプリHOME»
  2. エステ感動物語»
  3. 第9回大会»
  4. 2019年第9回エステ感動物語 お客さまからの感動物語 最優秀作品賞

2019年第9回エステ感動物語 最優秀作品賞

第9回エステティックグランプリのエステ感動物語 お客様からの感動物語の受賞作品をご紹介します。


第9回最優秀作品賞

癒しsalonコンフォート

高田 智子

2019年第9回エステ感動物語 最優秀作品賞「魔法の手のひら」

「手当て」という言葉は、もともと、相手のからだに「手を当てる」ことから来ているそうです。私はそれを、担当のエステティシャンのIさんから教わりました。その言葉通り、Iさんの手のひらは、魔法の手のひら。ふっくらとやわらかく温かい手のひらが、私の顔や肩に当てられるだけで、私の日ごろのストレスはすべて、Iさんの手のひらが吸い取ってくれるようです。また、お客様に触れる手をやわらかく保つため、家事のときには手袋をするなどプロとして徹底されているのも、素晴らしい。
ところで皆さん、エステの最中、居眠りされますか?それとも起きている方ですか?私は断然、起きていたい派です。それは、起きていてIさんの気持ちの良いハンドテクニックを存分に味わい尽くしたいから。けれど、あまりの心地よさに、Iさんの声は次第に遠ざかり、いつの間にか寝落ちてしまうのですけどもね。それはそれで、ぜいたくな時間です。
それに、Iさんは聞き上手。エステ中はリラックスしていることもあって、日ごろは言えない悩みがつい口からポロッと出ることもあります。Iさんは手はしっかり動かしながらも、私の話にはちゃんと耳を傾けてくれるのです。
「エステティック」とは本来「美意識」という意味だそうです。それもIさんから教わったのですが、たしかに、美しいクラシック音楽が流れ、アロマのよい香りがするサロンに身を置いていると美意識が研ぎ澄まされます。エステを終えると、からだも心もキレイになり、「女に生まれてよかった」と感じる瞬間です。エステが嫌いな女性はきっといないことでしょう。こんな至福のひとときを、自分だけ味わうのは申し訳ないと思い、私は、米寿を迎えた祖母を招待することに決めました。美しくいたいという気持ちに年齢制限などないはずです。最初は、「若い娘さんが行くところでしょう?」と引け腰だった祖母も、施術を終えた後では、「気分が華やいだ」と、すっかり気に入った様子でした。
エステ通いが習慣化した矢先、祖母はお風呂で倒れて寝たきりの生活を余儀なくされました。「もうサロンに行けないわねぇ」とぽつんと言った祖母はさみしそうに見えました。そのことをIさんに話すと、なんと「出張」で自宅にやって来てくれたのです。「ここ痛いですね。やさしくしますね」Iさんは、祖母の点滴の跡を、天使の手でやさしくマッサージしながら言いました。これぞ本物の「手当て」です。寝たきりで単調な毎日を過ごす祖母は、今や、Iさんの「出張エステ」の時間を生きる励みに、指折り数えて楽しみに待っています。また、元気になって、サロンの方へも通える日を夢見て。

お問合せはこちらから よくある質問

© since 2010 ESTHETIQUE GRAND PRIX All rights reserved.