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2019年第9回エステ感動物語 最優秀作品賞

第9回エステティックグランプリのエステ感動物語 学生部門「未来のエステティシャン」の受賞作品をご紹介します。

2019年第9回エステ感動物語 最優秀作品賞「未来への通り道」

私は、エステティシャンという仕事についている方々を、心から尊敬しています。なぜなら、エステティシャンにはその技術をもって、人々に優しさを広げていく力があると思うからです。
私がエステティシャンになりたいと一番初めに思ったのは高校1年生の頃でした。幼いころから両親に肩もみや足のマッサージをしていた私は、必然的に人にマッサージをすることが好きになっていました。高校の部活動の合宿では、毎晩友人からの「予約」がいっぱいになっていたのをよく覚えています。肩が痛い、足の浮腫みがひどい、腰が痛い、など。高校生ながらも、皆がそれぞれの悩みを抱えていました。当時の私は当然筋肉やツボなどの知識は皆無だったため、自分がやられたら気持ちいいだろうな、という要領でマッサージをしていました。それでも、マッサージを終えたとき、「すごく楽になった!」「足細くなってる!」というような言葉や、友人の嬉しそうな笑顔を見る度に、何とも形容し難い喜びと幸福感を感じていました。自らの手で、技術で、誰かの悩みを少しでも和らげることができ、その人の生活に笑顔を増やすことができることは、なんて素晴らしいのだろうと、感じていました。そして、お客様の悩みに寄り添い、改善を目指し、日々の疲れを癒すことのできる、エステティシャンという仕事があることを知りました。
私の周りは大学進学を目指す子がほとんどで、両親も私にはそれをずっと望んでいました。しかし、エステティシャンになりたという思いが強くなり始めた私は、大学ではなく、専門学校という道もあるのだと気が付いたのです。そこから最終的な進路希望を出すまでの二年間、両親や高校の先生方からは強く反対され続けました。現在の日本の就職活動などに置いては、やはり学歴を重視せざるを得ない状況であり、「専門学校卒」という肩書がキャリアとして軽んじられるのではないかという心配が、背景にはあったようでした。私もそういった点は重々承知していました。しかし、エステティシャンという仕事を目指すうえで最も必要なのは技術力だと思います。それはやはり、専門学校で2年間鍛え上げることで磨かれるものだと思いました。大学に行くよりも、専門学校でよりエステに関わる専門的な知識を学ぶこともでき、さらに他の大学生よりも二年間早く社会に出てエステティシャンとして働くことができるのなら、こんなにもベストな道はないと思いました。私は心が折れそうになりながらも説得を続け、昨年の春、専門学校に入学することができました。これは、私がなりたいエステティシャンに近づく、第一歩であったと感じています。
そして私は専門学校に入学し、約9か月間学んだ今、エステティシャンになりたいと改めて強く思いました。
私がとあるリラクゼーションサロンで施術を受けた日の帰りのことでした。そのサロンの方はとてもやさしく丁寧な方だったので、私は心身ともに癒され、満たされた気持ちで電車に乗っていました。ある駅で、私が座っていた車両に二人の若い女性が入ってきました。二つ並んで空いていた席はなく、女性たちは大きめの荷物を持っていました。私の隣の席は一つ空いていたため、私は「良かったらここ座ってください」と声を掛けました。女性達は「すみません、ありがとうございます」と笑顔で座りました。「優しい人もいるんだね」という会話が聞こえ、私はとても暖かく、嬉しく、こんな少しの自分の行動が誇りに思えました。不意に思い立った、自己満足的な行動であったかもしれません。それでも、普段のせかせかとしている私であったら、女性たちの存在に気が付くことすらなかったかもしれません。サロンで癒され、優しい気持ちであったからこそ、周りに目が向き、声をかけることができたのだと思いました。
この時、一番に浮かんだのはエステティシャンという仕事が人々を優しくするのではないかということです。エステティシャンは人を癒す仕事です。お客様を癒し、優しい気持ちにすることができる仕事です。サロンにいらっしゃって癒されたお客様は、きっと優しい気持ちでお帰りになることでしょう。その帰り道、誰かに席を譲るかもしれません。その帰り道、誰かの大切な落とし物を届けるかもしれません。そしてその優しさが、また次から次へと「優しい気持ち」繋げていくのではないでしょうか。誰かの優しい気持ちはきっとまた誰かに伝染します。その一番初めの「優しい気持ち」を生み出すことのできるエステティシャンは、本当に素敵な仕事だと思いました。お身体のお悩みだけでなく、お客様の心に寄り添うことができ、癒すことができる仕事であるエステティシャンが、たくさんの人に優しさを広げていくことができると思うと、私はこの職業に益々憧れを抱きました。
エステティシャンは、自らの手で、技術で、人々を癒し、幸せな気持ちにし、優しさを広げることができる素晴らしい仕事だと思います。私はそんなエステティシャンとして活躍する方々を、心から尊敬しています。今の私はまだ技術も拙く、お客様のお役に立てるほどの知識もありません。しかし近い将来、私自身の手で優しさを広げることができるよう、まずはその夢に向かい、今はまだ通り道だと考えて日々努力を積み重ねていこうと思います。

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