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2014年第4回エステ感動物語 優秀作品賞

第4回エステティックグランプリのエステ感動物語 学生部門「未来のエステティシャン」の受賞作品をご紹介します。


第4回優秀作品賞

東京療術学院

鈴木美紗子さま

2014年第4回エステ感動物語 優秀作品賞「温かな手」

私は産まれてから今日までアトピーと共に生きてきました。
母の話によると、生まれたての私の肌は全身真っ赤で、頬ずりもできないほど膿んでいたそうです。そんな体に産まれた私を、母は一生懸命綺麗な体にしてあげたいと、毎週車で片道2 時間もある大学病院へ通ってくれました。
たくさんあるアトピーの本を読んでは良いと言われるものを試し、試行錯誤の末ゆずを使った無添加のローションを手作りして、毎日のように私に塗ってくれていたそうです。
そんな母の努力のお陰で全身に広がっていたアトピーは、小学校に上がる頃には左手の薬指が少だけ荒れる程度まで治りました。
しかし、まだ幼かった私は、母がどれだけ頑張ってくれたのかを理解することができず、「こんな手いやだ、なんでみんなみたいに産んでくれなかったの?」と、ひどいことを言ってしまいました。
母は悲しげな顔で「ごめんね、ごめんね・・・。」と謝ってくれました。
今思うと本当に辛いことを言ってしまったと思います。
時が立ち、私はエステティシャンを目指すことになりエステティックスクールに通うことにしました。卒業が近づいた頃、今までの感謝の気持ちを込めて家族や友人にトリートメントをしてあげましょう、という授業がありました。
私は迷わず一度もエステに行ったことのない母を招待しました。
恥ずかしいから、と最初は渋っていた母ですが、私がどうしても母にトリートメントをしたいという思いを伝えたところ 、承諾してくれました。
悩みを聞き、自分で母のためのコースを考え、一生懸命トリートメントをさせてもらいました。トリートメントが終わりメイクを施した後、母と記念撮影をすることになりました。
写真を撮った後、母は私の手をとり、こう言いました。
「みさの手はとってもあったかくて気持ちよかった、体もすごく楽になったよ、ありがとう。荒れやすい手に産んでしまったからずっと申し訳ないと思ってた。でも、みさの手は人を癒せる手。応援しているよ。」
私は必死に涙を抑え、ここまであふれる愛情を注いで育ててくれた母に感謝しました。
今、私はまだ手荒れと戦っています。
しかし絶対に完治して、エステティシャン として働くと決めています。
それが私から母への最大の恩返しだと思っています。
そして母の温かな手の温もりを、まだ見ぬお客様へつなぐため、同じように肌荒れで悩むお客様の心の痛みがわかるエステティシャンになるために。

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